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曝露試験を開始したきっかけ③ ~佐々木のインタビュー~

  • 研究・開発活動
曝露試験を開始したきっかけ②はこちらから
スタンダードを上げるためにトライし続ける会社であるということ。これは今後も変わらないですし、その姿勢も挑戦していく量も絶対変わらない筈ですし、もっと加速すると思います。トライにはリスクがついて回りますので、リスクを恐れてトライしないという選択はしない会社にしたいです。ですがお客様が安心して暮らせる家にしたいのにリスクを買っていただく訳にはいきませんので、宮古島で検証して、改良するにしても新しい商品を作るにしても、宮古島で必ず検証された塗料だけを使用していきたい。
現在、促進耐候性試験という試験方法と野外実曝露試験という試験方法の2つしか世の中で確立されていません。促進耐候性試験という機械と野外実曝露試験を併用して出た検証結果で「良い」が証明できれば事実上「守れる」という理屈になります。野外曝露試験も促進耐候性試験という機械での試験も強制的にダメージを与えて早い時間で長いダメージを負ったということを証明する試験で、促進耐候性試験で言うと5000時間が10年です。5000時間ということは、その試験機に5000時間入れて10年相当と証明するというのが促進耐候性試験の理屈です。そうすると1年は500時間です。


ですが、1年は時間で計算すると8760時間なわけです。なので「商品を作りました・開発しました」と言って、試験機械に約7ヶ月間強制的に入れて、それで10年相当になるわけです。理論上は。この試験を行い「あ!いいね!大丈夫だね!」と言って発売されたものが塗料Aでした。塗料Aは塗りたて時は何の問題も無かったのですが、1年半で全てダメになりました。でも促進耐候性試験では10年大丈夫と結果が出ていたのです。「塗料A、もうストップです。もうダメです。」と言われながら、1年半経過していない8~9ヶ月経過の状態で現場を定期点検でチェックした際、まだ症状が現れていない現場もありました。塗料Aで施工した現場の半分はダメ、半分はまだ大丈夫という状態で、大丈夫だった現場は経過観察で様子を見ていましたが、最終的に全現場がダメになりました。
これはどういうことなのかというと、日に当たって紫外線が当たってダメージを負うと、塗膜が経年で変化していく姿が、7ヶ月で大丈夫だけど1年半ではダメだったということで、機械に入れて5000時間大丈夫だったけど、野外に置いたら1年半でダメになったということです。それで、促進耐候性試験だけでの判断は、やっぱりダメだという結論に至ったのです。ダメというか、安心の材料にならないと思いました。創業当時からいたスタッフは覚えていると思いますが、この頃の私は2000万円する促進耐候性試験機を買うと言っていました。それさえあれば証明できると言い続けていました。大きい冷蔵庫みたいな機械なのですが。
500万円の試験機もあるのですが、4検体しか入れられないのです。2000万円の試験機は大きい冷蔵庫なので、一気に50検体くらい入れられるのです。
最低10年守りたいとなれば、5000時間・7ヶ月必要なわけです。試験機に50検体を入れたら7ヶ月間、身動き取ってはいけないわけです。そう考えると「やっぱりいつかだな・・・」と考えていました。