屋根のリフォームには大きく「塗装」「カバー工法」「葺き替え工事」の方法があり、屋根の材質や状態によって適切な方法で施工する必要があります。
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長い間、風雨にさらされた屋根を高圧洗浄機で水洗浄し、専用塗料でコーティングし直す方法です。遮熱塗料や無機塗料にて施工を行い、建物を守るための塗膜を形成します。
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既存の屋根を撤去せず、その上に屋根材をかぶせる方法です。撤去・廃材処分費のコストが削減でき、環境にやさしい工法です。また、屋根材が二重になるので、断熱性、遮音性も高まります。
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今ある屋根材を撤去し、新しい別の屋根材に葺き替える屋根工事です。古い屋根材を撤去する際に、屋根の下地(防水紙・野地板)のメンテナンスも合わせて行う事で寿命を延ばすことができます。
塗装してはいけない屋根があるのはご存知でしょうか。
私たちは築20年以上の屋根や、「パミール」「コロニアルNEO」「レサス」「グリシェイドNEO」などノンアスベスト製の屋根はカバー工法もしくは葺き替え工事でご提案をしています。
私たちも創業間もない頃は、ノンアスベストの屋根材があるということを知らなかったので塗装してしまっていました。下の写真は、ユウマペイントが以前塗装ができない屋根材と知らないまま塗装してしまったお客様の屋根の写真です。
定期点検にお伺いした際に塗装ができないと判明しました。いずれも施工後3年未満です。
屋根を塗装する際には、加圧がたくさんかかります。
・高圧洗浄で上に昇り体重がかかる圧
・高圧洗浄の圧力
・何度も屋根の上を歩く圧
※職人さんが材料をもって屋根に上ると80kg以上の体重がかかります
ノンアスベストの屋根材は実際塗装自体は可能ですが、屋根の素材自体が脆いため、 ヒビが入りやすい素材に上記の加圧がかかることでさらにヒビが広がってしまいます。
ヒビが入ると雨水が入るので、塗装直後でも裏の防水紙が破れていたりすると雨漏りにつながります。また、ヒビが進行して割れてしまうと、縦割れから横割れになり、台風などの強風が吹いたときに落下や飛散などが発生する可能性が高くなります。
最悪の場合、お隣や近隣のお家に被害を出してしまう可能性もあります。
このように、最適な施工がされなかった屋根は、ヒビが広がってしまい、雨漏り等のリスクが発生するためとても「建物を守る」という状態ではありません。
しかし、塗装ができない屋根でありながら塗装を選択してしまっているお家も沢山あるのが事実です。
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お客様自身も業者さんも「塗装ができない」屋根材と知らずに、塗装を行ってしまうケースがあります。経験不足で知識も少ない業者さんの場合です。
業者さんより「カバーをしないといけない」とすすめられれば、お客様自身もカバーする方向で考えますが、カバーや葺き替えの対応ができない業者さんや知識のない業者さんは、基本的に塗装でのご提案を行います。このケースは、お客様を騙すつもりも無く悪意は無いのですが、結果としては塗装後に剥がれ、ヒビ割れが発生してしまいます。
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「塗装で守ることができない」「塗装ができない」屋根材と分かっているのに塗装をすすめる業者さんもいらっしゃいます。
このケースが起きる原因は、まず第一に塗装のほうが「見積もりを安く見せることができる」からです。お客様が知らないことを良いことに必要な説明を省き、塗装を提案する悪質な業者さんもいます。
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このケースは、お客様も業者さんも「塗装ができない」屋根材ということ、また、カバー工法の選択肢が良いと分かっていながらも、ご予算の問題で塗装を選択するケースです。
お客様のご予算に合わせてなるべく安価な提案がお客様のためと思われているため、悪意はありません。しかし、割れてしまうことは変わりません。
また、塗装を提案する業者さんに「今回は塗装して、次回のメンテナンス時にカバー工事をしましょう」といったお話しを受けたお客様もいらっしゃいます。次回カバー工事をするなら、今回実施する塗装工事の費用が無駄になってしまうということは、容易に想像がつくと思います。
ユウマペイントでは、ノンアスベストの屋根は割れやすいため、点検もドローン又はポールカメラを使用いたしております。
屋根の状態を確認し続けていたことで「ノンアスベストの屋根材は塗装しない」という結論に行きつき、「カバー工法」もしくは「葺き替え」のご提案を行っているのです。
塗装後に「割れの保証」や「漏水の保証」といった施工店保証を発行する会社さんばかりとも限らないので、その後のトラブルを防ぐためにも、知識はもちろん、「守る」ことにこだわりを持った会社様を選ぶことが大切です。
地域の皆様の安心で安全な暮らしを守ることに強いこだわりを持つユウマペイントは、塗装できない屋根は塗装いたしません。
台風や雹災時に屋根材がなんらかの被害を受け、そこから二次被害につながってしまうことを防止する「減災」を踏まえて工事内容をご提案しています。
施工後3ヶ月から定期点検を実施する理由も、万が一異常があったときに早期発見・早期対応をすることで被害を広げないためです。
ユウマペイントはノンアスベストの屋根には塗装しないので、コストの部分がクリアできないお客様の屋根については、何もせずそのままにしておくことを推奨していました。職人が乗った重圧でヒビ割れや破損を起こさないようにするためです。
そんなカバー工法か葺き替えでしか守れなかったノンアスベストの屋根を、簡便に補修可能な商品が出来上がりました。
株式会社トーコー様の「クラックガード」です。
クラックガードが有効な屋根材としては、「全体的に大幅な傷みがない・劣化が少ない」「部分的に少し割れている程度」または「予算的に今回はカバー工法を見送るお客様の応急処置」というポイントが挙げられます。
塗装しないとはいえ、割れや欠損をそのままにしておくわけにも、それ以上広がってしまうことを懸念していた私たちは、このクラックガードで簡易的に補修をしてあげることができれば、少なからずお客様の「安心」につながるのではないかと思い、採用いたしました。
カバー工法を行う場合同じくらい大切なことが「ルーフィング=防水紙」です。
防水紙にも塗料のように様々な種類やグレードがあり、貼っていく工程も様々です。
知識が無い業者の場合、単純に安いものを提案することが多いですが台風に強い屋根にするためにはルーフィング(防水紙)にもこだわりましょう。
ユウマペイントでおすすめしているのは「粘着層付改質アスファルトルーフィング」です。
寿命は20年以上と長く、「接着施工」が出来ることがメリットです。
「アスファルトフェルト」や「アスファルトルーフィング」等の防水紙は施工方法が防水紙をタッカー(大型のホッチキスに似たもの)を使いステーブル(コの字型の針)で固定する「タッピング工法」です。
この工法は経年劣化によりシートが縮むため、固定しているところから裂け、そこから雨水が浸入する恐れがあります。
ユウマペイントでは、数ある防水紙・工法の中から「どの防水紙をどのような工法で設置していくことがお客様の建物を守ることにつながるのか」という視点でご提案をしております。