blog 【シーリング(コーキング)】増し打ちでの施工にご注意 お役立ち情報 目次 1.シーリング(コーキング)とは 2.シーリング(コーキング)の劣化症状 3.シーリング(コーキング)工事 撤去打替え工法と増し打ち工法のメリット・デメリット 4.シーリング(コーキング)の役割 5.シーリング(コーキング)工事 増し打ちから6年後の様子 6.シーリング(コーキング)工事で増し打ちを提案する理由 7.シーリング(コーキング)工事の撤去打替えができない例 8.シーリング(コーキング)工事で失敗しないまとめ ■シーリング(コーキング)とは 外壁塗装をご検討される際、特に外壁の仕様が「窯業系サイディング」の場合、「シーリング(コーキング)」を行う工事があります。 外壁材と同じようにシーリング(コーキング)も紫外線の影響で劣化していくため、メンテナンスが必要になります。 シーリング(コーキング)とは、サイディングボートとボードの間(目地部分)に充填されているゴム状のもので、建物内への水の侵入を防ぐ役割があります。 サイディングとサイディングの間にあるのがシーリング(コーキング)です。この写真の場合ですと、剥がれや硬化が進んでいる状態です。 ■シーリング(コーキング)の劣化症状 シーリングの役割は「建物内に雨水を侵入させないこと」です。屋根や外壁に劣化症状が現れるように、シーリングにも劣化の症状があります。中でも代表的な症状をご説明いたします。 ●劣化症状1:ひび割れ シーリング(コーキング)が紫外線の影響を受け劣化していき弾力性が失われ、建物の揺れに追従できなくなることによりひび割れが発生します。そのままにすると割れた部分から雨水が侵入してしまいます。その際、裏側の防水紙が切れていたりすると、雨漏りにつながる可能性があります。 ●劣化症状2:破断 ひび割れが進行すると亀裂が発生して破断という状態になります。雨水が侵入するリスクが高くなるので、メンテナンスを早急に検討する必要があります。 ■撤去打ち替え工法と増し打ち工法のメリット・デメリット サイディング住宅の方が外壁塗装のお見積もりを取った際は、シーリング工事の内容をチェックする必要があります。主な方法として、「増し打ち」と「撤去打ち替え」の2種類があります。 ●シーリング撤去打ち替え工事 撤去打ち替え工法とは、既存のシーリングをすべて撤去してから新しいシーリング材を充填する工法です。メリット:新しいシーリング材になるので耐久性が良くなる(次回の塗装工事までメンテナンス不要)デメリット:撤去をする必要があるので、増し打ちよりシーリングの量と職人の手間のコストの分コストがかかり工期が長くなる ●シーリング増し打ち工事 増し打ちとは、既存の劣化したシーリングの上から新たにシーリング材を充填する工法です。メリット:コストを安く抑えられるので見積金額を安くすることができる。撤去する必要がない分、施工を早く進めることができる。デメリット:数年後、既存のシーリングより増し打ちした新しいシーリング材の劣化が見受けられる可能性がある。主な症状としては剥がれ、ひび割れがなど。 ■シーリング(コーキング)の役割 上記したように、開口部やサイディングのつなぎ目に打ってあるシーリングの役割は「水の侵入を防ぐこと」です。シーリングは、一次防水としての役割があります。その裏には防水紙が貼られており、防水紙→ブチルテープという二次防水の防水処理が二重でされていることで漏水しないつくりとなっています。 ただ、中の止水の状況は塗装工事の段階では見ることができません。そのため、シーリングをしっかりと「撤去打ち替え」を行うことは、水の侵入を防ぐためにとても重要なポイントになります。 ちなみに開口部や接合部(幕板との取り合いやベントキャップの取り合い部分など)に使用しているシーリングは、シーリングでしか仕上げられない部分なので、仕上げ材として使用しています。 ■シーリング増し打ちから6年後の様子 シーリング工事は、塗装工事の中でもとても大切な役割を持っているため、ユウマペイントでは「撤去打ち替え」をご提案しています。残念なことに、耐久性が期待できないにもかかわらず「増し打ち」をご提案する会社様もまだまだたくさんいらっしゃいます。今回、他社様で6年前に「増し打ち」工事を行ったお客様にご了承をいただき様子を拝見させていただきました。こちらのお客様は、私たちのほうで外壁塗装とシーリングを「撤去打ち替え」にて工事を行わせていただきます。 ●目地部分に増し打ちして6年後の様子 写真3枚目が特に、増し打ちしたコーキングがひび割れて剥がれているのが分かります。(新旧のシーリングが色が違っているので分かりやすいかと思います。 今回増し打ちされたシーリングの厚みは3mmくらい程度でした。厚みが確保されていなく薄いので、劣化により基本的には剥がれてしまいます。また、会社さんによっては「目地部分は撤去打ち替え、サッシ周り部分は増し打ち」というパターンが多くあります。現在、目地部分を増し打ちするケースは少ないですが、業者さんによっては目地も増し打ちを提案されますのでご注意ください。続いてサッシ周りを増し打ちした6年後の様子です。 窓などのサッシの周りの増し打ちをご提案される会社様は実際とても多いですが、こうして10年経過しないうちからひび割れが発生している現状を見ると、建物を「雨・風・紫外線」から守ることに強いこだわりを持つ私たちは、増し打ちで施工のご提案は出来ません。 ■なぜ増し打ちを提案するのか ここまで読んでいただけると耐久性も低く、本来のシーリングとしての役割を果たせない増し打ちをなぜ提案するのか?という疑問がわいてくると思います。 なぜ多いかというと、増し打ちで見積もりを作ると先述のように工期が短く材料費も安く済むので、結果的に見積の値段を下げることができるからです。 ですが、こうした現状を見ると、剥がれやひび割れが発生したシーリング増し打ち工事は、本当にお客様の大切なお住まいを守っていると言えるでしょうか。 ですが業者さんの中には「撤去打ち替えだと防水紙やサッシを傷つけてしまう」というお話しをしたうえで、不安をあおり撤去打ち替えを選ばせないというお話しもあります。 上の写真は、ユウマペイントのショールームに展示してあるミニチュアの住宅です。住宅の構造(主にサッシ周り部分)についてご案内しています。このミニチュアをみて分かる通り、窓周りのコーキングを撤去してみると、防水紙が見えることがあります。この防水紙は、二次防水のブチルテープ(粘着質のテープ)の上にかぶっている余りの部分となっています。そのためカッターを入れても雨漏りにつながることはありません。 また窓などのサッシは目に見えてる部分の奥に金属の張り出しがあるためカッターを入れてそのまま防水紙を切ってしまうということはありません。 今回の塗装工事では増し打ちを提案している会社様も、10年後の次の塗り替え時は撤去打ち替えを勧めてくる場合があります。 なぜ「次回は撤去打替え」で「今回は増し打ち」なのでしょうか。初めて外壁塗装を行うお家は「打ち代」といって少しコーキングを打つ幅を確保することが可能です。一般的にシーリングメーカーさんが推奨している厚みは「深さが10mm」です。 見積もりに「3~5mmコーキング厚を確保しています」「打ち代があります」「Vカットします」と載っていることがありますが推奨の厚みが確保できない工事では大切なお家を正しく守ることはできません。 「増し打ちだけど厚みを付けてるから大丈夫」という会社さんはいますが、シーリングの厚みを図る検査を実施しているのでしょうか。 打った後に深さを測定したり見たりすることはできませんし、工事の責任として、シーリング工事の保証書は施工会社様から発行されるのでしょうか。見積もりにシーリングの寿命だけを載せていることもありますが、外の紫外線にずっと当てられた状態で30年もつシーリングはありません。 一見きれいで5、6年持ったとしても実際は高い確率で不具合が発生してしまいます。 ■シーリング撤去打ち替えができない例 基本的に撤去できる部分は撤去して打ち替えを行いますが、撤去ができない部分や接合部でシーリング仕上げを行っているときは厚みを確保して増し打ちを行います。 ●サッシの金属の張り出しでカッターを入れることができないサッシ周り こういったサッシには厚み(10mm程度)を確保して三角シールで仕上げます。こういったサッシには厚み(10mm程度)を確保して三角シールで仕上げます。 ●シーリングで仕上げてある接合部(一部の例) 下屋根上 水切りとの取り合い部分 ベントキャップの取合い ■お家を守る目線で工事内容を提案する業者選びを シーリング工事を含めた屋根外壁塗装工事の目的は「お客様のお家を雨・風・紫外線から守る=建物を守る」ことです。値段だけではなく、必要な工事をしっかりと選ぶことが大切です。インターネットで検索すると、塗装を扱う様々な会社さんが検索結果に表示されます。どの会社さんもホームページはしっかり作られていて、どの会社さんが一番いいのかが一見だけでは分からないことがほとんどだと思います。ですので3社ほど相見積もりを取り、今回ピックアップしました「シーリング工事」についての違いをチェックしたり、提案された塗料について話を伺ったり、その塗装会社さんが大切にしている考え方などを聞いたり、金額ではなくお客様自身の「納得できるポイント」をしっかりと見つけてください。これこそが、失敗しない屋根外壁塗装工事を行うために必要不可欠なものとなります。 コーキング撤去打替え・増し打ちの動画をYouTubeで発信中! この動画を YouTube で視聴 この動画を YouTube で視聴 この動画を YouTube で視聴 前の記事 次の記事 一覧へ戻る