屋根外壁塗装に火災保険は使える?適用条件から申請手順まで解説
- 佐々木 拓朗
- 減災・災害情報
外壁塗装に火災保険は使える?適用条件から申請手順まで解説
外壁塗装を検討中でネットで調べたり話を聞いたりすると「火災保険を使って外壁塗装を無料でできる」という情報を耳にすることがあります。実際のところ、火災保険の適用条件がクリアできれば、保険金で外壁や屋根の塗替えを行うことは可能です。
しかし、火災保険で外壁塗装ができるのは限られたケースのみであり、適用条件や注意点を正しく理解する必要があります。特に、この情報を悪用して契約を迫る悪徳業者もいるため、騙されないためにも正しい知識を持っておくことは重要です。
本記事では、外壁塗装において火災保険が適用される条件から申請手順、注意すべきポイントなどを詳しく解説します。
外壁塗装に火災保険が適用される4つの条件
自宅の外壁塗装で火災保険を使うためには、以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。
- ・自然災害による損害である
- ・被災から3年以内の申請である
- ・火災保険の補修金額が免責金額を上回っている
- ・損害を受けた災害が補償範囲内である
それぞれの条件について以下より詳細を解説していきます。
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条件1:自然災害による損害
火災保険という名前から適用されるのは火災のみと思いがちですが、火災に限らず台風や大雪、洪水などの「自然災害」が直接的な原因で補修が必要となった場合は保険適用の対象となります。(※)火災保険で補償される主な災害を以下にまとめました。
※ご契約内容によっては適用外の場合があります。
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経年劣化や施工不良による破損やひび割れなどの損害や、被保険者側の故意もしくは重大な過失による損害は対象外となります。
また、この保険はあくまで自然災害による損害を原状回復、つまり「被災する前の状態に戻す」ための保険です。そのため、被災前より状況を良くしたり状態を変化させるものではないのでご注意下さい。
たとえば、破損部分を修復するついでに前より良いものに変えようと考える方もいるかもしれませんが、その部分は火災保険の補償対象となりません。ただ、例えば破損した部分の素材が既に廃盤である場合などは例外的に適用が可能となるケースもあります。
見落としがちな点として、地震による損害については火災保険でカバーしていないことに注意が必要です。地震による損害をカバーするためには別途地震保険の契約が必要です。とはいえ、火災保険に付帯する形などセットで契約するのが基本となっています。不安な方は今一度保険の内容を確認してみましょう。
条件2:申請は被災から3年以内に
申請期限の条件として、保険法第95条にて請求期限が3年以内と定められています。つまり、被災から3年以内に申請を行わなければなりません。
火災保険の申請では災害による被害の程度や原因などをしっかりと確認を行う必要があるのですが、長く放置するほど、どこまでが災害による被害でどこまでが経年劣化なのか明確な判断が難しくなり、場合によっては火災保険が適用されないことも考えられます。3年の猶予があるからといって後回しにするのではなく、被害の範囲が明確なうちに申請を行いましょう。
また、この条件は言い換えれば現時点から3年前までの被害については請求ができるということもあります。
火災保険が使えることを知らずに自費で補修してしまったという場合でも、被災から3年以内であれば必要書類を準備できれば請求が可能です。内容によっては追加工事にも申請が認められますので、該当する場合は一度保険会社に相談してみましょう。
条件3:火災保険の免責金額を上回る補修費用であること
火災保険には、損害が一定額以下の場合は契約者の自己負担で補修する「免責金額」が設定されており、外壁塗装に火災保険を適用するには補修費用が免責金額を超えていることが条件となります。
例えば、契約した火災保険の免責金額が20万円だった場合、補修工事の費用が20万円以下では免責金額の範囲内となってしまうため、火災保険は適用できません。
20万円を上回っている場合に火災保険が適用され保険金が支払われますが、支払い方式には「フランチャイズ方式」と「エクセス方式」の2種類があります。
フランチャイズ方式は、免責金額を超えれば損害額の全額が補償される方式です。上記の例の場合、たとえば補修費用が30万円であれば免責金額20万円を上回っているため、30万円全額が保険金として支払われます。
エクセス方式は、免責金額を超えれば免責金額を損害額から差し引いた金額が補償される方式です。上記と同様の例で考えると、免責金額が20万円で補修費用が30万円であるため、補修費用から免責金額を差し引いた10万円が保険金として支払われます。
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どちらの方式なのかは保険会社や商品によって異なります。また、免責金額を加入者がある程度自由に設定できる商品もあります。その場合は免責金額を高く設定するほど保険料を減らすことが可能です。もちろん免責金額が高いほど保険金が支払われるハードルは高くなりますので、掛け金と補償のハードルを天秤にかけて自分に合った設定を行いましょう。
条件4:損害を受けた災害がを補償範囲内である
条件1で自然災害による被害を補償するとお伝えしましたが、実は火災保険にはいくつか種類があり、加入する保険のタイプによって適用範囲外となってしまう場合があります。保険にどの範囲までカバーしてほしいかを考えて加入する保険を決める必要があります。火災保険のタイプについては後述します。
戸建て住宅向け火災保険の3タイプと補償範囲
戸建住宅向けの火災保険には「住宅火災保険」「住宅総合保険」「オールリスク型保険」の3タイプがあり、それぞれ補償範囲が異なります。自身の家庭がどの保険に加入しているかをきちんと確認しておくことが重要です。
住宅火災保険は戸建て住宅向けの火災保険の中で最もベーシックなタイプで、落雷や爆発も含めた火災のほか、台風や突風、竜巻などの風災、大雪や雪崩などの雪災、雹(ひょう)災などもカバーしています。
他の火災保険と比べるとやや保険料が安い一方で、注意が必要なのが住宅火災保険では水害による被害は補償対象外となっています。よって、大雨や洪水などの水災で家の外壁が損害を受けてしまった場合、住宅火災保険では保険を利用した外壁塗装ができませんので注意して下さい。
住宅火災保険の補償に加えて水害も補償し、より幅広い自然災害をカバーした保険が住宅総合保険です。水災が多い地域や水災まで保障してほしい方はこちらの保険を契約していました。
この保険に加えて近年主流となりつつあるのがオールリスク型の火災保険です。こちらは住宅総合保険より更に幅広い範囲を補償対象としています。商品にもよりますが、敷地内の設備の偶発的な事故や損害に対する補償は基本的にカバーされています。
基本的には補償範囲が広いほど保険料がかかります。求める補償範囲と保険料の兼ね合いを考えてどのタイプの保険が適切なのか判断しましょう。
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火災保険申請の手順と流れ
実際に外壁塗装で火災保険の利用を申請する場合の手順を解説します。
火災保険の申請に必要な書類は大まかに3つです。
- 保険会社からの書類
- 補修費用の見積書
- 被害状況が分かる写真(現況写真)
これらの書類を揃えるために保険会社と外壁塗装会社の双方に連絡を取る必要があります。
まずは外壁塗装業者へ連絡し、被害の調査と見積もりの依頼を行いましょう。業者に相談する際に「自然災害による損害で火災保険を利用する」という旨を伝えると、基本的には業者が現況写真を撮影し提供してくれます。自分で撮影することも可能でしょうが、危険なので業者に任せてしまいましょう。
次に保険会社に連絡し、外壁塗装に火災保険の補償を利用する旨を伝え、必要書類を請求しましょう。保険会社に伝える際は「いつの災害」で「どの箇所」が「どのような被害」を受けたのかが重要です。ある程度でいいので状況を整理した上で連絡しましょう。
これで申請に必要な書類がすべて揃います。すべてが揃ったら保険会社へ送付しましょう。これで申請が完了します。
申請受付後、保険会社から鑑定人が自宅へ派遣されます。保険金は、保険会社から委託を受けた鑑定人が実際の被害を確認して、補償額が決まります。
保険会社には塗装業者が作成した見積もりが提出されますが、鑑定人による査定によっては必ずしも希望額の全額が支払われるわけではありません。火災保険を使っても完全に無料にならないケースもあるのでご注意ください。
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悪徳業者に要注意!
条件を満たせば自然災害による被害の補修に火災保険が活用できるということを知らない人、もしくは忘れてしまっている人は少なくありません。
これを利用して、火災保険の補償対象外となる経年劣化による破損をあたかも自然災害による破損として保険会社に申請するよう仕向けてくる悪徳業者が残念ながら存在します。
これは保険金詐欺にあたる違法行為にあたるため、トラブルに巻き込まれないためにも悪徳業者は絶対に避けなければなりません。
悪徳業者の典型的な特徴としては以下のようなものがあります。それぞれについては後ほど詳しく解説します。
- ・火災保険で無料修理できると断言する
- ・申込書に高額な手数料・キャンセル料が記載されている
- ・火災保険の申請代行を謳う
悪徳業者を避けるには営業の時点で悪徳かどうか見抜き、申込書などにサインをする前に拒否するのが鉄則です。その他にも怪しいなと思うことがあれば拒否するのが無難でしょう。
火災保険で無料修理できると断言する業者は要注意
これまでの解説で分かる通り、外壁塗装で火災保険を適用するには4つの条件をすべて満たす必要があり、決してハードルが低いものではありません。ちゃんとした業者であれば条件を満たすかどうかしっかり判断します。
「保険で完全無料で修理できる」と断言して売り込むのは要注意です。そもそも保険の契約内容を知らないのに断言できるわけがありません。お客さんの知識の乏しさにつけ込み、甘い言葉で契約を取ろうとする悪徳業者なので契約しないよう注意して下さい。
中には「無料点検する」と称して屋根に勝手に上がって意図的に屋根を壊して、保険を申請するということをするかなり悪質な業者もいますので営業などで安易に家に入れたり話を聞かないようにするのがよいでしょう。
ちなみにこちらが実際に意図的に屋根を壊されてしまい、ユウマペイントにご連絡をくださったお客様のお写真です。
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瓦をずらしていることが分かります。
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棟も意図的に真ん中部分を浮かせていました。
高額な手数料・キャンセル料が記載された申込書に要注意
工事の申込書の内容を読まずにサインした結果、高額な手数料を請求されたり、あとで工事をキャンセルしたとしてもキャンセル料として高額な支払いを請求されるというトラブルも実際に発生しています。
申込書に高額な手数料やキャンセル料の記載がある場合は、それを目的とした悪徳業者の可能性が非常に高いため、サインしないようにしましょう。
業者によっては言葉を並べ立てて強引に契約を迫ってくる人もいるので、勇気を出してきっぱりと拒否するのが重要です。
火災保険の申請代行は弁護士法違反
悪徳業者の中には、火災保険の申請作業も代行して行うと提案するケースもあります。その分手数料を請求されてしまうわけなのですが、そもそも火災保険の申請は原則的に契約者本人が行わなければなりません。
弁護士を除く第三者が契約者に代わって保険会社に連絡を入れて手続きを行うことは非弁行為として弁護士法に違反する行為になってしまいます。
場合によっては契約者も悪徳業者とともに刑事上の責任に問われる可能性もあるため、申請の代行を申し出てきた場合は絶対に拒否しましょう。
トラブルを防ぐポイント
「タダより高いものはない」という言葉があるように、なぜ無料なのに業者が積極的に勧誘してくるのか、その理由を冷静に考えることが重要です。
悪徳業者は訪問営業で契約を取るパターンがほとんどです。このような業者は悪評が広がっていたり、そもそも会社の実態が怪しかったりするため、ちゃんとした業者のように待っていてもお客さんは獲得できません。
だからこそやや強引に迫っても訪問営業で契約を取り、水増し請求や高額な手数料、キャンセル料などで利益を得ようとするのです。基本的に訪問営業の業者との契約は拒否する、必要ならこちらで探して信頼できそうな業者に相談する、というスタンスを取るだけでトラブルを回避する確率は上がるでしょう。
信頼できる業者選びのポイントとして、まずは会社の実態と所在地が明確に確認できてホームページなどの会社情報が充実していることが第一です。その上で、地域での評判や口コミを参考にして評判が良さそうなところを探していきましょう。
実際に業者に相談しているときも、契約を急かしたり強要しないかどうか、料金体系が透明で適正であるかどうかなどをしっかりチェックし、信頼に足るか判断しましょう。
火災保険を正しく活用しよう
外壁塗装における火災保険の活用は、適切な条件を満たせば費用負担を大幅に軽減できる有効な手段となります。しかし、解説した4つの条件をすべて満たさなければ適用はできません。不利な契約を結ばせようとする悪徳業者も多いので、特に災害に遭ったときに思い出せるよう頭の片隅に知識として入れておきましょう。
火災保険を適切に活用するためには、まず自身の契約内容を正確に把握し、信頼できる業者とともに適正な申請を行うことが重要です。そういう意味では下請け業者に仕事を回す大手メーカーなどより地元に密着した自社施工の業者の方が信頼できることが多いです。
ユウマペイントも柏市に本社を置き、柏市・松戸市・船橋市・市川市を中心にご相談を承っている地元密着型の塗装会社です。
地域の皆様の「安心で安全な暮らしを守る」ことをビジョンとして掲げ、皆様の大切なお住まいを守ることに強くこだわり、知識と経験に裏打ちされた確固たる判断基準で塗装に限定せず住まいを守るために総合的な提案を行ってきました。
外壁塗装工事においても多数の施工実績を持ち、地域に根ざした塗装・リフォーム業者として皆様よりご支持いただけるようになりました。災害復旧や減災についても積極的な取り組みを行っております。
ご相談から現地調査、お見積り提出までは一切費用はかかりません。ユウマペイントが行う外壁塗装については、見積もりからアフターフォローまでを以下の記事で細かく記載しているので事前に全体の流れをイメージした状態でご相談に臨むことも可能です。
もちろん火災保険を利用した外壁塗装工事についてもご相談を受け付けております。まずはお気軽にお問い合わせくださいませ!
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