意匠性サイディングにクリヤー塗装は推奨していません
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意匠性のあるサイディング外壁に必要な塗料とは
意匠性のあるサイディングを塗装する場合、せっかくの意匠性が塗りつぶされることを気にして「クリヤー塗装にしたい」というお客様が多くいらっしゃいます。 大手メーカーさんからもクリヤー塗装は販売されており、ユウマペイントにお問い合わせをくださるお客様の中でも「クリヤー塗装」に興味を持っている方は多いです。
クリヤー塗装は施工としては可能ですが、クリヤー=透明なので、「補修跡」が消えなかったり、色褪せした状態のままになってしまうことがデメリットです。また、塗膜が薄いので建物を守るには弱いところも気を付けなければいけません。

写真は6年前にクリヤー塗装で外壁塗装を行ったサイディング外壁です。
細部を見ていくとクリヤー塗装の問題点がわかります。
クリヤー塗装施工後のデメリット
前回の塗装工事でクリヤー塗装を行い、次の塗り替えを迎えた際、お客様のほうには負担になることはありませんが、施工側において様々なチェックポイントが出てくる場合があります。
はじめに、塗膜が白濁してしまっていることです。
画像はユウマペイントのYouTubeより抜粋しています。

サイディングの表面に塗ってある場合、素材自体の塗膜が劣化で剥がれている場合があります。
その上からクリヤー塗装を行ってしまうと、良い下地状態ではないまま塗装工事を行っているということになります。特別な問題か?と言われればそこまでではありませんが、外壁塗装で建物を守っていくという観点から考えると、チェックポイントの1つになります。
ワーキングジョイントとは
建物は必ず動きます。交通量の多い道沿いに建っている場合や地震、台風、強風など、様々な場面で動いています。特に窯業系サイディングの目地部分のシーリングは、こうした風や地震によって目地の隙間が大きくなったり、歪んでしまうことがあります。
こうしたシーリングの上に外壁塗装を行った場合、塗膜も一緒に動いてしまうため、結果的にヒビ割れにつながることがあります。この症状のことを「ワーキングジョイント」と言います。
ワーキングジョイントはクリヤー塗装だけに限らず、先打ちでシーリング撤去打ち替えを行った場合は多く出やすい症状です。
クリヤー塗装を行う場合は、本来であればシーリングの上には塗装を行いません。

意匠性サイディングに最適な塗装工事とは
築年数が浅く、サイディングの劣化自体が少ない場合などは、クリヤー塗装を行う場合がありますが、基本的にはクリヤー塗装は推奨していません。
着色した塗料の上にクリヤー塗装をすると、更に美観もよくなり膜厚もつくので建物を守るためには良い方法です。
しかし、下塗りが存在しないクリヤー塗装が多いのです。劣化した状態のサイディングの上に下塗りをせず、ぶっつけで上塗り(クリヤー塗装)を2回行います。
下塗りは、上塗りとの密着力を高めるために行うものなのに、下塗りをしないまま施工をするので、そもそもが剥がれやすいです。
下塗りをしないままクリヤー塗装を行うと、耐久性が期待できない上に美観も保てなくなります。
ですが、意匠性のあるサイディングを通常の塗装工事で塗りつぶしてしまうのも、美観レベルが低下してしまうので敬遠される方も多いと思います。劣化状況などによりますが、こうした意匠性のあるサイディングに塗装工事を行う場合は、通常の塗料でしっかりと塗膜をつけてあげて、かつベースと目地を色分けさせることのできる「ダブルタッチ工法」もおすすめです。

意匠性サイディングの塗装工事まとめ
意匠性あるサイディングの塗装工事を行う場合は、「建物を守る」意味でも「美観を保つ」という意味でも、クリヤー塗装ではなく通常の塗料を使用して行う「ダブルタッチ工法」や「ダブルタッチグラデーション工法」でしっかりと膜厚をつけて行うことを推奨いたします。この工法の場合、手間や必要な塗料缶数が通常の塗装工事よりも多いので、その分金額が高くなってしまいますが、次回の塗り替えも考慮してお選びいただけるといいかなと思います。
塗装会社さんによっては、上記工法を行っていない場合もございますので、事前にお伺いしていただくことをおすすめします。