【新たなノンアスベスト屋根】エコ・ウーノについて
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ノンアスベスト屋根は塗装で守れない・意味がないことが大前提
パミールやコロニアルネオ、グリシェイドネオといったアスベストが入っていない脆い素材の屋根材のことをユウマペイントでは「ノンアスベスト屋根」と呼んでおり、塗装をしていません。
ノンアスベスト屋根の場合は、カバー工法か葺き替えかでご提案しております。もちろん、塗装に比べると費用が高くなりますので、カバーにしたくても予算が・・・という方もいらっしゃいます。そんな方には「今回のメンテナンスでは何もしない→次回のメンテナンス時期までに費用を貯めて、次回のメンテナンス時にカバーか葺き替えを行うこと」を推奨しています。
それほど、ノンアスベスト屋根に塗装をすることは意味がないものと思っています。
そんな中で最近、比較的新しいノンアスベスト屋根「エコ・ウーノ」で建てられたお住まいが塗り替えのタイミングに入ってきましたのでエコ・ウーノについてご紹介いたします。
エコ・ウーノについて
エコ・ウーノはノンアスベスト屋根で2005年~2006年ごろから出荷されていて、2011年くらいまで発売されていた屋根材です。形状によっては「エコ・シンプル」と呼ばれるものもあります。「グランデグラッサシリーズ」と入れ替えで出荷されている屋根材になります。
特徴としては、圧縮しているときの成型のセメントの形が3種類あることです。1枚に対して3柄あります。1枚の板ですが圧縮成型の形が違うので、線が入り柄が複数に分かれるのです。
エコ・ウーノやエコ・シンプルに関しては、ノンアスベスト屋根シリーズで紹介(情報発信」しているにも関わらず、全国単位で見てみると塗装されているケースが多いです。
「知ってて塗っている」「知らないで塗っている」のどちらなのかは分かりませんが、塗装されているのです。エコ・ウーノで建てられている住宅の場合、分譲も多いので1つの現場がエコ・ウーノだと周囲も同じくエコ・ウーノの場合が多いのですが、既に外壁塗装実施済みの住宅を見るとほとんど屋根は塗装されています。
正しい情報がお客様のもとに届いていて、そのうえでお客様が「塗装する」と判断された場合は仕方ないのですが、ユウマペイントではエコ・ウーノについては「塗って守るに適した屋根材ではない」と考えています。ですので、このページをご覧になっている方で屋根がエコ・ウーノだと分かっていらっしゃる方は是非、カバー工法か葺き替えでのメンテナンスをご検討ください。予算が難しければ今回は何もしないでください。人が踏んで歩くだけで割れてしまう屋根材です。塗装代がもったいないです。
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エコ・ウーノ屋根の全景写真です。
エコ・ウーノの劣化症状
エコ・ウーノに限らず、ノンアスベスト屋根材は必ず「ひび割れ」や「欠損」があります。ひび割れに関しては縦にも横にも入ります。コロニアルネオやパミールのように「縦割れ」「横割れ」両方起きるタイプの屋根材です。
あらゆる方向に割れるので、作業中の私たちは「すっぽ抜け」みたいなことがあるので気をつけないといけないです。
このひび割れを塞いで塗装すること自体は出来ますが、手で簡単に折れるほど弱い屋根材です。その時のひび割れを塞いでも、またすぐ別のところからひび割れてきてしまいます。補修で固めても、別のところが割れてきてしまうのです。
人が乗れば乗るほど、もともと弱っていてただでさえ放っておいてもひび割れしている屋根材なので、人の荷重がかかるとどうしても割れの量が相対的に増えてしまいます。
縦割れ・横割れが多いと、屋根材が反ってしまうことがあります。
グリシェイドネオは基本的に横に割れることは少ないです。大体が縦に割れることが多いです。コロニアルネオに多いのですが、1枚に対して横割れすると、屋根の上を歩いているとすっぽ抜ける可能性があります。作業場の安全担保が難しいのがノンアスベスト屋根でもあります。
うっすら割れている場合は現地調査時の目視ではなかなか分かりにくく、足場を組んでみるまで分からないということもありますので、「診断して割れている→こういう修理で進める」「診断して割れていない→塗装で進める」というより、そもそもエコ・ウーノやその他ノンアスベスト屋根が持っている特性は何なのか?ということを知った上で「この屋根材に対して正しいメンテナンスの仕方はこうであるはずだ」ということをお客様にお伝え出来たほうが屋根守りをする私たちとしては重要なことと考えています。
傷み具合で施工方法を決めてはいけない
他社で見積もりを取っているお客様や同業他社の方と話をしていると、「この程度の傷みだからこうする」「この程度の傷みじゃないからこうしない」といった「傷み具合」で判断していることがとても多いです。今の傷みだけで判断してしまうことは、今の時点で再現が出ていないだけで2年後には再現が出ている可能性があります。傷口を見て直すのではなくて根本解決が大事です。「自分の家のエコ・ウーノだけは無傷で丈夫です」なんてことはあり得ません。なぜなら同じメーカーさんが同じ材料で製造しているので、ロットの品番の関係で規定よりも品質が悪いことはあっても、規定よりも丈夫になったということはないからです。「下がる」ことはあっても「上がる」ことはありません。
お客様の家をよくするということと共に、台風のような強風が来ても屋根が割れて飛んでいって誰かにご迷惑をおかけするリスクも減らしていくほうがお客様のためにもなります。
エコ・ウーノやエコ・シンプルといったノンアスベストの屋根材は、カバー工法でのメンテナンスを強くお勧めします。