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【ノンアスベスト屋根】レサスに塗装を行ったらどうなるか

  • お役立ち情報

ノンアスベスト屋根「レサス」に塗装しても意味がない


一見すると普通のスレート屋根に見えるのですが、製品自体の構造上の問題から不具合を発生させている屋根材があります。 その屋根材の1つが「レサス」です。 レサスが塗装できない理由として、ひび割れが出やすく、更に少しの力で割れるので塗装での保護が難しいという点があります。
  
レサスの特徴として「先端が不揃いで歪な形をしている」「薄い縦線が数本入っている」という点があります。
  
劣化の原因として
①雨水を吸って、夏場に強い日差しを浴びて、乾燥するときに変形してしまう
②冬場、霜が降りて凍ってしまうことで膨張して割れてしまう
  

  
レサスのようなアスベストの入っていない、いわゆる「ノンアスベスト屋根」というのは数多く存在します。パミール、コロニアルネオ、グリシェイドネオ、アーバニーグラッサ、かわらUなどが代表的な種類です。
  
現在は、アスベストによる健康被害は広く知られていますが、その問題が発覚する以前は、アスベストは工業材料として様々なものに使用されてきました。
 
しかし健康被害が確認され、アスベストが使用禁止になってきた頃に、アスベストを使用しない建材の開発が行われた中の屋根材が上記屋根材であり、その中の一つがレサスです。
  
どの屋根材にも共通して言えることですが、屋根材を強化する「アスベスト」が入っていないので、屋根材自体が脆く、割れやすいです。
  
屋根材そのものの問題なので、上から塗装を行っても結局は素材自体から剥がれやひび割れが起こってしまうため、塗装をしても意味がないのです。
  
もちろん、塗装を行うことは可能です。ただ塗装直後はとてもキレイですが、早ければ施工後2~3年が経過すると症状が現れ始めます。
 

実際にレサスに塗装した屋根の様子

ユウマペイントは現在ではノンアスベスト屋根に対しては「カバー工法」「葺き替え」「屋根に乗ってほしくないので何もしない」のいずれかをご提案させて頂くようになりましたが、ノンアスベスト屋根材の存在を知るまでは塗装を行っていました。  
  
次の写真は以前、定期点検にて撮影しましたレサスに塗装を行った写真になります。
  
お施主様に許可を頂き、撮らせて頂きました。
  

  
こちらは塗装後3年が経過したレサスの写真です。
  
カビや汚れがなく、塗膜自体もキレイなのでそこまで時間が経っていないことが分かると思いますが、ひび割れや屋根材自体の割れが発生しています。
  

  
一部の箇所だけでなく、全体的に症状がみられます。
  
ユウマペイントは、こうした定期点検にて塗装後の状態を知ることができたおかげで「ノンアスベスト屋根は塗装では守れない」ことを実感。約10年ほど前の2014年ごろからは完全に塗装を行うことをやめました。
  
こうした結果になってしまうことは、建物を守るだけでなく塗装にかけたコストも無駄になってしまいます。レサスの屋根材で塗装をお考えのお客様は、できればカバーか葺き替えでお考えいただきたいですが、もちろんコストが高くなりますので、場合によっては「塗らない」ことを選択し、次回の塗り替えまでにカバーを行うための費用を貯めて頂きたいです。そのくらい、塗装には意味がありません。
  

  
塗装工事時、ひび割れ補修を行った部分と塗装後に発生したひび割れが出ている場合もありました。  
  

  
こうして割れた状態で乗っている屋根材が、台風や強風などの悪天候時に飛んでいき、最悪の場合は近所の屋根や外壁、カーポートの屋根などに直撃し、割れたりしてしまうのです。
  

レサスの正しいメンテナンス方法

レサスといったノンアスベスト屋根の場合は、決して塗装を行わないでください。
災害時にはご自身の家だでなく、ご近所のお家にも被害を及ぼしてしまう可能性があります。
ノンアスベスト屋根の場合は「カバー工法」「葺き替え」「何もしない(次回の塗装工事時に左記いずれかを実施する)」でのメンテナンスを推奨します。
 
場合によっては「現地調査時にレサスの屋根に上がっても割れなかったので大丈夫」と言って塗装を勧める会社さんもいらっしゃいます。ただ、圧のかかった高圧洗浄や、屋根塗装時にも職人が一斗缶を持って塗装作業を行う=体重よりも重い状態が屋根に負荷をかけるため、現地調査時よりも屋根が割れるリスクは高くなります。
  
地域の皆様が安心で安全に、その安心安全が災害時にも通ずるようなメンテナンスを行い、長きにわたってお住まいを守っていけるような状態になればと思っています。