突然やってきて自宅の屋根を指摘してくる!こんな業者には要注意
- 戸塚 朝美
- お役立ち情報
コロナ禍で急増した屋根に関するトラブル
コロナ禍以降、地域の皆様からよく頂くようになったお問い合わせの中に「知らない業者さんがいきなり来て「お宅の屋根の一部が浮いています。今なら●●円で修理してあげますよ」と言われました。」という内容が本当に増えました。
中には、私たちで屋根外壁塗装工事を行った直後にも関わらず「業者さんに指摘されたので屋根に上らせて見てもらいました」という方もいらっしゃいました。
お問い合わせを受け続けるにあたり、どういった切り口で訪問してくるかが分かってきました。
ほとんどが「近くで工事をしていて、足場を登ってみたら」「たまたま通りかかってみたら」と切り出しているようです。
①屋根の板金が浮いています
②屋根が沿っているのが見えたので声をかけさせてもらいました
③屋根の瓦が浮いているのが見えました
④瓦の旨がずれてますよ
普段、ご自宅の屋根を見る機会がほとんどないので、いきなりそういうことを指摘されると不安になりますよね。
ですが、私たちもここ数年で何十件というご依頼を受け、点検にお伺いいたしましたが結論は「異常があった屋根はほぼゼロ」でした。では、そうして指摘してまわっている業者さんは何をしているのでしょうか?
知らない業者さんに屋根に上らせるのは危険です
業者さんから指摘を受け、不安になったお客様が実際に業者さんを屋根に上がらせた場合、上った先で問題があるように工作を行います。
・棟板金を外す・棟板金を浮かせる
・瓦をずらす
・瓦を反らす
などを行っていることが多いようです。
次の写真が実際、被害に遭われ私たちにご相談をくださったお客様の屋根の写真です。
●ケース①スレート屋根を割られた事例
●ケース②棟板金を歪ませられた事例
●ケース③瓦と棟をずらされた事例
上記のケース全て「実際に業者に上らせて発生した事例」になります。
「本当の自然災害かもしれないのでは?」と思われる方もいると思いますが、私たちのような専門業者が見れば災害なのか人工的な症状なのかは見れば分かります。
被害に遭わないために
その場での判断は難しいかと思いますが、こうした業者さんが来た場合「近くで工事をしてる」「足場を登った時に見えた」「たまたま通りかかったら屋根の異常が見えた」と言ってくることが多いので、すぐに判断せずに確認を行ってみましょう。・近くで工事をしている→実際の工事場所を確認する
・足場を登った時に見えた→足場がどこに建っているのか確認する
・たまたま通りかかって異常が見えた→異常が見えたポイントに立って、本当に屋根が見えるか確認する
これらを行うだけでも本当かどうかの確認が取れます。
業者さんの狙いは「わざと」補修工事が必要な状態の屋根にさせ、修理して費用をもらうことです。
もしくは火災保険を使って修理をし、費用をもらうようです。コロナ禍で仕事が減った業者さんが考えた手口のようです。
こうした業者さんはお断りをし、「リフォームでお世話になっている会社」「ハウスメーカー」「外装専門店」などに依頼をし、本当に異常があるか確認をしてもらうことを推奨します。
実際に尋ねてくる業者さんの特徴
・作業服を着ている・若く、職長の手元(補助)をやっているような職人さん風
・名刺を持っていないことが多い
・会社名を名乗らない
・執拗に尋ねると返事がたどたどしい
恐らく、「近くで施工している」という設定との辻褄をあわせるためなのかもしれません。
最後に・・・
知らなかったとはいえ、業者さんに屋根に上がらせて人工的に棟などを壊し、保険金を降ろさせるという行為は保険金詐欺にあたります。嘘の理由で保険金を請求することは出来ないのですが、万が一お客様も知らないまま工事を進めてしまった場合、共犯になってしまう可能性がありますし、今後自然災害発生時に本当に修理が必要になった時、火災保険の申請をしても通らなくなる場合もあります。結局はお客様自身の安心安全が担保できなくなってしまいますので、こうした業者さんが訪ねてきた場合は信頼のおける会社さんに依頼をしてください。