FRP防水工事の現状と最適なメンテナンス提案
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FRP防水工事の現状と最適なメンテナンス提案
FRP防水工事は、ベランダや屋外スペースの耐久性を高めるための重要な施工ですが、正しい知識や技術がないと、施工後のトラブルが発生しやすくなります。今回は、FRP防水工事におけるトップコートの扱いについて、現場の実態や注意点、適切なメンテナンス方法をご紹介します。
現場での課題:トップコートのひび割れ(バキバキ問題)
FRP防水工事では、表面保護のためにトップコートを塗布しますが、これを適切に管理しないと、以下のような問題が発生します。
- ■ひび割れの発生
トップコートが経年劣化や厚塗りによって硬化し、ひび割れ(通称:バキバキ)が目立つようになります。この状態を放置すると、見た目の劣化だけでなく、お客様が防水層自体の問題と誤解し、不安を感じる原因になります。 - ■防水機能への誤解
トップコートは「防水」を目的としたものではなく、表面保護や美観の維持が主な役割です。しかし、業者によってはトップコートを防水工事の一環として提案するケースもあり、これが後のトラブルを生む要因となっています。 - ■コスト面の誘惑
トップコートの再塗装はFRP防水全体の再施工に比べて3分の1以下のコストで済む場合が多いため、価格の安さから選ばれることが多いですが、適切な効果が得られないことがあります。
※トップコートのみ施工したベランダの様子。施工して数年でひび割れが発生しています。 (ユウマペイントYouTube「【注意】FRPトップコートは防水工事ではありません」より |
FRP防水の構造とトップコートの役割
FRP(Fiber Reinforced Plastic、繊維強化プラスチック)は、ガラス繊維やカーボン繊維を樹脂で固めた素材です。その強度、耐久性、耐腐食性により、ベランダや屋上などの防水工事に広く使われています。
FRP防水工事の基本構造
- ■下地処理:コンクリートや既存防水層を清掃し、平滑な状態を作る。
- ■プライマー塗布:下地とFRP層を密着させるための接着剤を塗布。
- ■ガラスマット敷設:ガラス繊維を敷き、防水層の骨格を形成。
- ■樹脂塗布:ガラスマットに樹脂を浸透させ、固める。1~2層塗る場合が一般的。
- ■サフェーサー塗布:防水層を平滑化し、トップコートの密着性を高める。
■トップコート仕上げ:紫外線や摩耗から防水層を守るための表面保護。
トップコートはあくまで「仕上げ材」であり、FRPの防水層そのものではありません。そのため、トップコートの劣化が防水性の低下に直結するわけではない点を理解することが重要です。
トップコート再塗装に関する誤解とリスク
トップコートの重ね塗りを検討する際、以下のポイントを正しく認識することが必要です。
- 割れやすい原因
トップコートは厚塗りをすると柔軟性が低下し、ひび割れが発生しやすくなります。また、紫外線や高頻度の歩行が劣化を加速させます。 - 効果の限界
トップコートは見た目の改善や表面保護を目的とするもので、防水効果を保証するものではありません。これを誤解していると、防水層自体が問題ないにもかかわらず、大規模な改修が必要だと思い込むリスクがあります。 - 施工の難しさ
トップコートのみの再施工は、以下のような技術的課題があります。- ・古いトップコートの完全除去が難しい。
- ・防水層を傷つける可能性がある。
- ・不適切な施工によって新しいトップコートが剥がれやすくなる。
※トップコートのみ施工し続けたベランダの様子。数年で新しいトップコートもひび割れが発生しています。 (ユウマペイントYouTube「【注意】FRPトップコートは防水工事ではありません」より |
推奨される施工とメンテナンスの提案
FRP防水の耐用年数を最大限に活かすためには、以下の方法が推奨されます。
- ■10年ごとの点検
FRP防水は通常20〜25年の耐用年数がありますが、10年目を目安にトップコートの状態や防水層の劣化を確認する点検を行います。 - ■1プライ施工の検討
トップコートの再施工だけでなく、防水層に1層のガラスマットと樹脂を追加する「1プライ施工」を行うことで、耐久性と防水性がさらに向上します。 - ■防滑材の活用
ベランダや屋外スペースでは、防滑材を組み合わせたトップコート施工が安全性の向上に有効です。これにより、雨の日の滑りや転倒リスクを低減できます。
ユウマペイントでは、築10年前後の「1回目の塗装工事」のお客様の場合、診断結果によってはベランダ防水工事は不要とご案内させて頂く場合がございます。確かに汚れがひどいと防水工事をしたくなるとは思いますが、表面だけの問題であって防水層自体に問題がないことが多いからです。
具体的な事例:10年前の施工現場の教訓
10年前にユウマペイントでFRP防水工事を施工した現場では、トップコートのみの重ね塗りが行われた結果、以下の課題が発生しました。
- ・ひび割れの発生
- ・美観の低下
- ・防水層に問題がないのに誤解による再施工依頼
この経験を踏まえ、現在ではトップコートのみの再施工を推奨していません。必要に応じて1プライ施工を提案し、長期的な耐久性を確保しています。
これは屋根外壁塗装を行ったあとの定期点検にて数多くの事象が確認されたことがきっかけです。私たちが大事にしている「塗装で建物を守る」という点から逸脱していると分かりましたので、ユウマペイントではトップコートのみの施工は行っておらず、ガラスマットを敷いて施工を行う「1プライ施工」をご案内しております。
※ガラスマットを敷いて施工している様子です (ユウマペイントYouTube「【注意】FRPトップコートは防水工事ではありません」より |
プロとしての責任と提案
FRP防水工事の成功は、正しい知識と施工技術、そしてお客様との適切なコミュニケーションにかかっています。私たちは以下を心がけています。
- 正確な説明:お客様が納得できるよう、防水工事の目的と限界を明確に伝えます
- 最適な施工提案:必要以上の工事を勧めず、最も効果的な方法を提案いたします。
- 長期的視点:単なる短期的な見た目の改善ではなく、長期的な耐久性を重視しています。
FRP防水は一度正しく施工すれば20年以上持つ優れた工法です。そのポテンシャルを最大限に引き出すため、適切な施工とメンテナンスを提供してまいります。
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