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ただ2回塗ればいいわけではない「下塗り2回」の正しい施工方法

  • お役立ち情報

下塗り材の種類

下塗りとは、外壁塗装工事、屋根塗装工事における工程の一つで、一番最初の塗装工程です。
 
下塗り材には・・・
■フィーラー
■シーラー
■サーフ
■サフェーサー
と種類があり、役割はもちろん質感や密着力の違いがあります。
ユウマペイントではこの下塗り材を屋根や外壁の仕様に合わせて選定し、塗り回数を【2回】とし、合計4回塗りで塗装工事を行います。

下塗り材を2回塗る理由

1回目の下塗りには、サイディングの外壁の場合ですと「シーラー」を塗布します。
最初に塗るシーラーは、【密着力を上げて、ほこりやチョーキングの取り切れない部分をなじませて抑える】効果があります。
仮設足場を設置後、はじめに行う作業が高圧洗浄です。
洗浄が終わった後にシーラーを塗る理由は、
「上塗り材との密着力を高める」「チョーキングを取り除く」ためです。
 
ですが、ホームセンターで販売されている高圧洗浄機よりも水圧の高い、プロが使用する高圧洗浄機をもってしても、取り切れないほこりやチョーキングが少し残っていることがあります。
 
完全に取り切ろうとすると、タオルで力を込めて外壁を拭いていくことになりますが、それは現実的ではありません。
 
そのため最初にシーラーを塗装して全体になじませて、密着力を高めてからサフェーサー、フィーラー、サーフ材を下塗り2回目として塗装していきます。
 
下塗りが1回だけの場合、これらの効果が発揮されないので、早期の剥離などが発生してしまいます。
下塗りを2回行うことは、お住まいを長く守っていくためにとても大切な工程なのです。
高圧洗浄後の外壁です。
指でこすると取り切れないチョーキングが確認できました
2回目の下塗りで使うフィラー、サーフ材、サフェーサー材には、「塗膜が削れてるようなダンチ(段差違い)を埋めてくれる効果」「細かいクギ周りのひび割れを埋める効果」がありますが、密着力がちょっと弱いという弱点があります。
サイディングの削れ
釘周りのひび割れ
劣化したサイディングに直接フィラーを塗ってから、カッターで切れ目を入れ、強力なテープで剥がす検証(パッチテスト)をおこなったところ簡単に剥がれてしまう状態でした。
 
この剥がれを防ぐためにユウマペイントでは、シーラーを入れています。シーラーを入れないと早期剥離につながる剥がれやすい塗膜となってしまいます。
 
それを防ぐためにも下塗りを入れてから2回目の下塗りでフィラーを入れています。

下塗り材の役割

1回目の下塗りのシーラーは「吸い込み止め」という効果もあります。
サイディングでもモルタルでも、外壁材が劣化すると「毛細管現象」で塗料を吸い込んでしまう現象が発生します。
 
この現象は、築年数が経てば経つほど激しくなってしまいます。
時間が経過すると吸い込みにより塗膜の色が薄くなっています(右面)

その吸い込みを止めてくれるのが1回目の下塗りです。
いきなりフィラーを塗って1回の下塗りで仕上げてしまうと、中の成分だけ吸い込まれたり、顔料だけが表面に残る状態になり弱い塗膜になってしまいます。

お住まいを雨・風・紫外線から守る強い塗膜を作るためにも、吸い込み止めは大切なのです。
4回塗りのうち1回目の下塗りを行う様子
3回塗りのご提案になると、この「1回目の下塗り(サイディングの外壁だとシーラー)」が含まれず、
サーフ材→中塗り→上塗りの工程です。
中にはシーラーは塗るけれどサーフ材は塗らないという会社さんもいます。

一番大切なのは「どれだけ剥がれづらくなる塗膜を作ってあげるか」です。
上塗りにこだわりもありますが、最終的には見えない部分の下塗り作業が一番大切と言えます。

下塗り材の正しい塗布量を知る

大切な役割がある下塗り1回目の塗装工事はどのように施工していくのでしょうか。
 
下塗り材が持つ役割をしっかり果たせる塗膜を生成するためには、現場での施工にもポイントがあります。

まず大切なのは、「まんべんなく塗布量を確保する」「しっかり膜厚を確保する」ということです。
シーラーは、既定の塗布量を確保せずに伸ばそうと思えば薄く伸ばすことができてしまう塗料です。
屋根で言えば「塗れる屋根」「塗れない屋根」に似ています。

塗装ができない屋根はあくまでも「塗装では守れない」ということであり「塗ることはできる」のです。その考え方に近いのです。
上段と下段で塗布量が異なるため色が変わっています。
材料が均一に塗られている(業界では配られているとも言います)状態
塗装を行うときには職人が材料をローラーにつけて塗りますが、その際に塗布量を量って塗っていません。
そのため既定の塗布量を確保しているかの確認は、職人や管理の人間の技術が大きく影響していきます。
 
ちゃんと材料を付けて均一に伸ばすという行為ですが、その「均一」も職人の技術にかかっています。

どれが正解というものはありませんが、見てわかるのは下塗り材を塗装したあとの外壁の「濃さ」です。
上塗りでも下塗りでもこの「濃さ」で塗布量を感じることができます。
 
繰り返しになりますが、塗装工事において大切なのは塗布量をしっかりつけて塗ることです。

下塗り材不足で起きる症状

では下塗り材を既定の塗布量で塗装しなかった場合、どんな現象が起こるのでしょうか。
 
塗装直後では分かりづらいですが、年数が経てば症状として現れます。一般的に、施工後3年目くらいから差がついてきます。

症状としては、シーラー不足や洗浄不足の場合→塗膜剥がれや変色が見られます。また、色褪せ、チョーキングなども見受けられるようになります。
チョーキング
塗膜の剥がれ

繰り返しになってしまいますが、下塗り1回目も2回目も適切な塗布量で施工することが大切です。
 
手が入らずやりづらい部分や、狭いところはどうしても薄くなってしまうこともありますがなるべく均一に塗布することが大切です。
塗布量が少ないため、吸い込みの前に透けている状態
膜厚が確保された状態だと濃さの違いがわかる

下塗り材(2回目)の役割

2回目の下塗りにはサフェーサー(エポサーフ)を塗布します。
この塗料は粘性がある材料で、気を付けて施工しないとムラが出てしまいます。

下塗り2回目を行うメリットは
●厚みがつくため防水性が上がる
●防藻、防カビ効果がある
●膜厚がつくため頑丈な塗膜になる
このように、お住まいを守るために必要な安心要素がいくつもあります。
逆に弱点は
●ぶっつけ(1回目の下塗り)で塗装すると密着が弱いため、塗膜も密着しづらい

ということです。
そのためシーラー(1回目の下塗り)を入れてからでないと、弱点が顕著に出てしまいます。
「お住まいを雨・風・紫外線から守る」「守ることにこだわりを持つ」ことを大切にしているユウマペイントとしては、【密着力も膜厚もどっちも必要】ということです。

上記のようにしっかり下塗り材が塗布された屋根や外壁の状態を作れば、上塗り材は好きな塗料を選んでいただいて大丈夫です。
上塗りの塗料には強い・弱いがもちろんありますので、上塗りの選定方法もポイントはありますが、
大切なことは【上塗りの効果を生かせる状態に持っていけるかどうか】ということです。

下塗りの選定と技術も関係してきますが、上塗りの機能を生かせる状態を作ることが必要です。

下塗り材1回と2回の違い

では実際に、下塗り1回と2回ではどのくらい見た目が違うのか確認してみます。
左:下塗り1回目
右:下塗り2回目
下塗り2回目終了した外壁
一度目の下塗りのシーラー入れていることは、濃さの比較で分かります。この外壁の状態は「吸い込みを抑えられている」と言えます。
 
下塗りとしての大切な役目を果たしてくれています。

築10年目ちょうどに外壁塗装ができるお家ばかりでないなかで、15年~20年といった築年数や立地条件など、お家の状況によって劣化の進行具合はバラバラなので、下塗りを統一させてしっかりお家を守れる品質の塗膜を作ることが大切です。

下塗り材塗装に使うローラーでも仕上がりが変わる

下塗り材に種類があるように、塗膜を生成するときに使用するローラーにも種類がありローラーごとに塗布量が異なります。
ローラーの種類は、メインで扱うもので約300種類あります。
使用するローラーの毛によって吐き出す量、配れる量が違うため、使用するローラーによって塗れる面積が異なります。
マイクロファイバーは吐き出し量が少ないローラーですが、仕上がりや飛散リスクを考え使用する職人は多いです。
「たくさん塗ろう」と決めてる人が使う分には良いですが、「3回しか塗らない」と決めてる職人が塗ると他のローラーと比べてどうしても塗膜は薄くなってしまいます。
毛の異なるローラーで屋根に塗装してみた実験の写真です。ローラーの違いで吐き出し量が異なることが濃さで確認できます。
1回目のプライマーと2回目のプライマーの比較

1回目のプライマーを塗布すると劣化した屋根材が塗料を吸い込んでいきます。
そうすると下地がだんだん透けていきます。
2回目のプライマーを塗布
吸い込みがなくなり完全に真っ白になります。
1回目のプライマー塗布後にそのまま上塗り材を塗ると、上塗り材の2回塗るうちの0.5膜分くらいは吸い込み現象によって吸われてしまいます。結果、本来は上塗り2膜ほしいのに上塗りの膜が1.5膜になってしまいます。
その吸い込みを完全に止めるという意味でもプライマーの量はとても重要です。

先ほどのローラーでの吐き出し量でわかるように、「単純に2回塗ればいい」ということではありません。
最近は「4回塗り」を推奨する塗装会社さんも多くなってきましたが、こうした工程を踏まえ「これだけ塗っておけばもう十分」というくらい塗らないと、意味がない4回塗りになってしまいます。

お客様のお家に残すのは塗膜です。
その塗膜の生成のためにユウマペイントでは塗料・道具(ローラー)・塗り回数にこだわっています。

屋根外壁塗装を検討しお見積りをもらった際に、「4回塗り仕様」になっていることに安心せず、4回塗りにどこまで強いこだわりを持っているかも、塗装会社さんよりご提案を受けてください。皆様の大切なお住まいがこれからも安心して暮らせるお住まいになるように、様々な観点から塗装会社さんをお選びいただけたら幸いです。

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